現場を知る真のコンサルティング
こんにちは。
久しぶりのブックレビューです。
私は,気になる方のブックレビューを参考に書籍を購入することがあります。
レビューを見て,「そんな感じね」と思うだけの場合も多く,読んだ気になって,書籍購入には至らないこともあります。
最近,業績V字回復系書籍は数多く出版されていますが,久々にレビューを見たにもかかわらず,書籍購入意欲が沸き,読んでみた後も「出会えてよかった」と感じた書籍をご紹介。
0秒経営 星﨑尚彦
「確信のある根性論」
利益は執念が⼤きな部分を占める
「このぐらいで」と一人が思えば,その空気が会社全体に広がるのに時間はかかりません。諦めないということが,仕事をするうえで,⽣きていく上で,いかに難しく、成功の鍵であることか,周囲をみたら納得できます。
「会議や議論の要」
安易な多数決に判断を委ねない
少数派の異議をとことん議論する、為尽くす過程がとても重要です。異議をその社内規模で納得させられないこと自体が大問題。同時に多数派の「意⾒」を必ず聞取る。単なる賛同にしない,リスクを取る勇気の確認を怠らない。そこまでしないと「自分事」にならないですよね。結果として,真の議論は「本当にやるべきこと」にたどり着くことになります。
「本物・プロへの道」
本物の知識や経験は「なぜ」の追求を繰り返すことでしか得られない。
なぜそうするのかを調べ,議論し,そしてその理由を理解する。この思考を育てることでしかたどり着けない道があり,ショートカットは無意味です。
「社⻑の⼼得」
全世代と話せる⾔葉を持っておくこと
現場(相⼿)に合わせた話ができない経営者に,現場の⽣の声は絶対に聞こえない。どうでもいい会話の中に,やるべきことのヒントがやっぱりあるのです。
社労⼠として、経営者として、労働者として,あらゆる⾓度から見て参考となる書籍でした。
最後に筆者は,アイディアが無限に湧いてきて,楽しくて仕方がない今,「個人の限界」に触れています。
いつまで素晴らしい仲間とともに関わっていられるか
いつまで、冴えた⾃分でいられるか、
いつか経営判断を誤るときがくるのか
いつまで自分が健康でいられるのか、
急がなくては、今できる最善の策を講じなくては,と。
いっそのこと,その(危ない)気配があったら,動き出す起爆装置を、と追いかけられながら、経営を「仲間とともに」楽しんでいる筆者に激しく共感しました。
筆者は経営の醍醐味を伝えています。
・「会社」とは本来どう運営すべきか
・「経営者」とは本来どのように、事業やそこで働く⼈をみるべきか
・「従業員」は本来なにをすべきなのか
リアルの声はマーケティングを超えます。
社労士には,⼿続き業務からのデータがあります。そこで働く人との信頼関係を構築し企業の現場の声を知ることができたら、現場と経営者との間に橋渡しができます。
真のコンサルティングが可能となるのです。
私も,筆者のように「個人の限界」と戦いながら現場のために働ける社労士になろう,そう思いました。
社労士・行政書士 かしむら