相続が起こる前に,話し合っていますか。
遺言がなく,相続が発生した場合,法律に則って相続手続を進めることになります。
しかし,法律(民法)では,相続人とその相続分の規定しかないのです。
長男は不動産,長女は預貯金・・なんて定めてないんですね。
預貯金だったら,それほど分けることは難しくないかもしれませんが,
実家(土地・建物)があると,これをどう分けますか?
そこに暮らしている相続人がいたら,その人を優先しますか?
また,相続人であるご自身のお嫁さん,お婿さんの意見はどう尊重しますか?
家ひとつとっても,調整が難しいことは容易に想像できます。
今や預貯金はあまりなくても,不動産は所有している高齢者は多いのです。
相続は決して,お金持ちだけの問題ではありません。
また,子ども同士仲が良いからといって,相続時に意見が一致するとも限りません。
相続が発生したあと,相続人間の話し合いで,納得できなかった方も多いのではないでしょうか。
完全に分け合うことができない,なんの不満もない解決が難しい・・・これが,「相続問題」なのです。
これを少しでも緩和する,相続人の気持ちにゆとりを持たせるためには,相続がおこる前に,ご家族で話し合う機会を持つこと。
いきなり,相続の話などできないでしょうから,
「これまでの思い出」や「現在の生活状況」などからみんなで聞いてみる。
そして,
「将来のこと」・・介護については,生活の拠点をどこにおくのか,資金面はどうするのか,親の意見や子の意見互いに知っておくこともプラスだと思います。
「家族が親の生活に対して考えを共有すること」とってもとっても大切なことなのです。
親のこと,兄弟姉妹のこと,話し合う機会を持つことを,意識してやってみてはみませんか?
その際,遺言を・・というのは難しくても,エンディングノートや自分史を活用するのも一つの方法です。
司法書士 かしむら