終活(シュウカツ)事情
仕事を探して活動することを就職活動,略して「就活」といいます。
この「就活」をもじって,最近は「終活」という言い方をよく耳にします。
人生の最期を迎える準備をすることです。
旧民法では,家督相続制度があり,長男がすべてを引き継ぐという法律,慣習がありました。また,隠居という制度もありましたので,生前に長男等に引き継ぐことができたのです。だから,かつては(大島群島では,昭和28年12月25日まで)承継というものが法律上はっきりしており,わざわざ「終活」しなくてもよかったのです。
しかし,現在は,子どもはみな平等に相続権がありますので,だれがどう引き継ぐか,考えなければならないのです。
親子間で話し合いができて,おおよその考えがまとまっていたり,もしくは,親子間で納得のいく生前に財産の分配がなされていたのならば,特に問題がありませんが,遺言書が残されていない場合だと,遺された相続人間で話し合いを持たなければなりません。
その場合,兄弟姉妹間でいろんな主張がなされます。
「おれが同居し,親の面倒を見てきたんだ」
「あなただけ,大学まで行かせてもらったじゃない」 ・・などなど。
特に病気などしておらず,ご健在の方は「終活」という気持ちにはならないのはわかるのですが,よくあるケースは,周り(子どもら)が「終活」してほしいと思ったときには,親がすでに判断能力が低下しており,終活どころではない場合が多々あります。
だから,ひとつの目安をつくる必要があります。たとえば,60歳になったら,「終活」をしてみる。家族と話し合いの場を設ける。60歳といえば,まだまだ若いのですのが,若い時だからこそ,検討できる,準備ができることがあると思います。