偏見を拭う
『不浄を拭うひと』 沖田×華 著
孤独死した人は,
自分が孤独死するなんてこれっぽっちも思ってない
あなたと変わらず,
目が覚めたらいつもの日常がくると思っていたけど
その人に,その朝はこなくなっただけ
そして,今生きずらいと思っている人が,
「明日,目が覚めなくてもかまわない」と思っていても
内心は同じくらい「明日はくるもんだ」と思って生きていて
その明日がこなくなっただけ
「人として,ひとつの人生をまっとうしている」
そのことに変わりはないんだよ
死の迎え方それ自体は,特に可哀そうでも悲惨でもない
最期に見るに堪えない姿だからといって
悲惨な生活を送っていた訳でもなく
悲惨な人生だったわけでもないんだ
特殊清掃をする会社に勤める主人公は,しんどい特殊清掃という体験を重ね,心身ともに負担を感じる職務に不安を抱いたとき,先輩の言葉から,そこに関わることの意義を見出します。
現実は,目を背けたくなるような場面が多いのでしょうが,漫画家の力により,悲劇の中に喜劇を見出したり,親族とのコミュニケーションが表現され,センセーショナルな部分より,そのような現実が,身近で,そして自分にも起こりうるし,その時は避けられないと素直に思いました。
今,パートナーがいても,
今,子供がいても,
数年後,もしかしたらもっと早くに
その時は突然訪れ,
不運にも他者にご迷惑をお掛けするかもしれない
まずは人生を私なりに全うすること
そして,その時がきてもあまりご迷惑をお掛けしないよう
シンプルに生きること
読んで,ぐっと身近に,そして考え方を改める機会となりました。
社労士・行政書士 かしむら