南の島の親子の会話@徳之島
12月1日。今日は土曜日だけれども,小2の子どもの学力テストがあった。
テストが終わる10時半に,学校の近くで待ち合わせて,子どもを車に乗せた。
「漢字を間違えた。シンブンという字,シンは新しいという字の新って書けたんだけど,ブンがね,自分の分にしちゃった。聞くという字は,ブンとも読むみたいでね,知らなかった。もっと漢字は気を付けて見ないとね,読み方がいっぱいあるから,次回の学力テストはがんばるね」
「そうね」
車は学童保育にいくため,亀徳へ向かった。
「あ,イルカのシッポが見えた」
「え,どの辺?」
「橋のところ」
「え,パパも見たいから,橋のとこ,行ってみてもいい?」
「うん」
亀徳大橋の真ん中を過ぎたところに車を止め,海をみた。
「どこ?」
「ほら,あそこ」
「どこ?」
「指さした先だよ」
「堤防の先?そんな遠いところ,イルカのシッポなんか見えるわけないじゃん!」
「見えたの!」
「そうなの?」
そして,橋の下を見ていると,白い丸い影と50センチほどの5匹のさかなの影が見えた。
「カメじゃん,さかなと一緒だね。あれ,白いよね?」
「アオウミガメじゃない?」
「そうなの?」
「カメがさ,顔出すまで待とうよ」
カメとさかなは,ゆったりとサンゴのまわりを泳いでいた。
冬の風が吹き,水面が揺れる。
じっと白い丸い影を見ていた。
水面が揺れ,白い影が動く。
白い影が,カメなのか,岩陰なのか,だんだんと分からなくなった。
少しだけ待ってみたけれど,結局カメは顔を出さなかった。
「行こう」
「うん」
ありふれた会話も,きっと良い思い出になると思うから,ここに記しておこう。
司法書士 かしむら