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「今後も面倒をみるかわりに財産をもらう」という約束/うみかぜ総合法務事務所(司法書士・行政書士・社労士)

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暮らしの法律

「今後も面倒をみるかわりに財産をもらう」という約束

 

よく聞く、自分にも起こりうる、でも実際どうなの?

ご家族の方と同居されている方は別にして、もともと、お一人で生活をされていた方は長期間施設や医療機関に入所となると、ご自宅の管理や諸々のお支払、各種手続きに出向くことが困難となります。

そんなとき、これまでお付き合いがあり、親交を深めてこられた方に、日常生活の中で起こる些細なことをお願いしたいと考えるようになります。実際、同居されていたわけではないけれど、ご親族の方や地域の方が親身になってお世話をされているのを、私は施設や医療機関で多くお見かけしました。

そういったお世話を善意で継続されている方々に、入所されているご本人は感謝の気持ちを抱き、何か形にできないかと考えることは自然の流れのようです。ところが、いざご本人が感謝の気持ちを形にするとなると、考えてしまうのです。

ご本人:

今後もこれまで同様に、お世話をお願いするためには、

いったい何をどのくらいあげたらいいのだろう。

自分の財産全てをあげた後、これまでどおりお世話をしてくれるだろうか。

そもそも、今とてもよい関係なのに、こんな申出をして、相手に負担にならないだろうか。

何か手続をして、その方に迷惑がかかるようなことが今後あるのだろうか。

このような場合、入所されているにも関わらず、考えすぎてご自身の心の負担になっていることも多いようです。また、

 

お世話をされている方:

財産をくれるというけれど、他の親族に財産目当てと疑われないかしら?

財産をもらってしまったら税金はどれぐらいはらわなければいけないの?

あとで、また返してほしいといわれたら?お金のことで揉めたくないし。

 

 

もうそれはそれは色々と考えてしまいますね。

そして、双方は、え~い、このままで。今のところ問題ないし、多分問題起こりそうもないし、そのときはそのときで。

でもこれ間違っています。

もし、ご本人がご自分の意思を伝えられなくなったら、それこそ契約なしで何もできません。ご本人の為に、ご本人の財産を使うことが難しくなります。今の日本では、正当な手続きをする権利者を定める手続きはとても煩雑でお時間を要します。また、ご本人から、日ごろ何かと将来の希望を聞いていたとしても、すべてあなたの懐から・・・なんていう事態が訪れるかもしれないのです。そして、いざご本人に何かあったとき、相続人といわれる方々が法定相続分の主張をそれぞれしだしたら、故人の思いもなにもありません。

ですから、ご本人の意思が明らかにできて、お世話する方、される方双方が元気で深い信頼関係がある「今」契約書を作成しておきましょう。

日々の生活の中での些細なこと、施設への支払い、大切な方への贈り物、御礼、そしてさまざまな機関での手続と可能な限り希望を載せ、そのかわりお世話される方の大切な財産をお譲りするという契約書を作りましょう。

深い絆や信頼関係をしっかりと形にすることで、対外的にもしっかりと明示でき、将来の不安も必要最小限にすることができます。

因みに、財産の贈与時点で金銭的に明確に見積もることができない負担(面倒をみるなど)は、贈与税の計算時に控除の対象となりません。贈与するそのものの価格に対して贈与税がかかります。詳しくはお近くの税務署・税理士にお尋ねください。

 

 

 

 

 

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