大人の心の貧困・島で,未来を1ミリ動かす
こんにちは。徳之島はもう初夏,晴れた日は海がキラキラしています。
今日は,週末に読んだ書籍のお話です。
○湯浅誠 「なんとかする」子どもの貧困 角川新書
私は十数年前に鹿児島に移り住み,当時司法書士法人に勤務しておりました。
勤務先の代表や上司が路上生活者を支援する事業をおこなっており,働きながら,様々な情報を見て,聞いて,体験を得る機会がありました。
路上での法律相談,定期のおにぎり配り,調理室をお借りしての料理会。
なぜ,今,そこにいるのか?
なぜ,今,そこにいなくてはいけないのか?
私の問い詰めるような疑問より,現場は
「コマリゴトハナイデスカ?」
終始そのようなスタンスで様々な職業の方が関わっていた印象です。
都市部で社会活動をされている「湯浅誠」さんという方のお名前を聞いたのはこのころが最初だったと記憶しています。
後に,「派遣切り」「年越し派遣村」などで活動をしておられたので,このかたのお名前は私の記憶から消えることなく今日に至ります。
現在は,社会活動家・大学教授。
ひとつ,ひとつのことはとても小さく,続けることは容易ではない。
でも,ひとつひとつが積み重なり,ある瞬間,カタチになって思い描いていたものが目の前に現れた瞬間を目撃した人は,ひとつひとつを積み重ねることへの可能性を信じることができる,突き進むことができる。
そうして,たくさんの落胆,失望のなかで,1ミリ社会を変えるために,動かすために,活動している方々を紹介しています。
知事,市長,校長,民間,本当に必要に駆られて動いている方の「熱量」を感じるゲンバビトの声。
心揺さぶられる私。知らなすぎる私。
「思いが足りない」と相手を責めるのではなく,どうしたら相手のいうことを実現しながら,自分たちの思いを実現することができるだろうかと考えてみる。
価値観の違う人達の景色があることを理解する。相手の見えている景色を,相手の側に立って見てみる。そして,自分の見ている景色を見てもらう努力をする。
相手の言い分を受け入れることが本当に「実現させたい未来」の妨げになるのか再検討する
一見,妥協ととられかねない覚悟もし,それでも相手の論理と重ね合わせる覚悟をもつ。それはすべて,「実現させたい未来」のため。
子供の貧困がテーマではありますが,「心の貧困」の問題でもあり,余裕のない大人がこれからどうするのか,何をすべきなのかとずっと私の頭は考えていた気がします。
ゆっくりと,集中して,誰かのために考えてみる,真剣に。
大人も,子供も,ゆっくり,時間を積み重ね貯めていく。
積み重ねた時間が溢れたとき,外の世界に向かって,自分なりの発信をしてゆけるようになる。それが,本当にしたいことを見つけることができたり,人を助けることに繋がるかもしれない。
時間は有限。私でも,今からでもすぐにできること。
時間泥棒に奪われないで,大事な時間を丁寧に生きてみようと思い,いつか,どこかでお会いできたらと思う著者の書籍です。
社労士・行政書士 かしむら