「言葉が鍛えられる場所」奄美・徳之島で心震えた本
こんにちは。
台風がシマの横をかすめた連休の中日,
ふと目について,読み切った書籍のご案内。
「言葉が鍛えられる場所」(大和書房)平川克美著
私が購入したわけでもなく,タイトルに興味を持ったのでもなく
書籍の帯に促されたわけでもなく
本当にそこにあったから,たまたま「頁をめくった」だけの出会い
四十年前の自分におとしまえをつける―はじめに
見えるものと見えないもの――鍛えられた言葉
「切なさ」をめぐって――二十年後のシンクロニシティ
母なるものをめぐって――最も語りにくい話題について語る
沈黙と測りあえるほどの言葉――沈黙の語法
愚かであることを愛おしく思うということ――向田邦子に寄せて
生まれてから死ぬまでの時間――或る「自己責任」論
憎しみの場所、悔恨の時間――電車の中吊り広告を見て思うこと
聞きたい声がある――沈黙の言葉
愛国心と自我の欲求――国境を越えた文体
愚劣さに満ちた世界で、絶望を語る――言葉への懐疑
「言葉」が「祈り」になるとき――痛みの連禱
呟きと囁き――戦争前夜の静けさ
嘘――後ろめたさという制御装置
言葉の交換を放棄したもの――唄が火に包まれる
時代が人間を追い越す――時間と時代
言葉のあとさき――未生の言語
言葉は自らの不在を願っている――倫理あるいは愛
遺言執行人――死者の声を聴きながら
言葉の不思議な性格―あとがき
文中に表れる「詩」は難解で
私の脳はすんなりと「言葉」を噛み砕けない。
それでも本を閉じることを許さない「言葉」の凄さ。
そのなかでも,「生まれてから死ぬまでの時間――或る「自己責任」論」で描かれる,蜻蛉(かげろう)のカラダを通じて表現される生と死に,心が震えました。
3日の生命にみる営み
生まれてから死ぬまでの時間
息苦しくなるような「詩」から「生きている時間の意味」が,静かに書かれています。
要約しようにも,難解で,私自身も無知と経験不足から
理解するにはまだまだ時間が必要な。
そしてこの本は,あとがきまで胸を打ちます。
今は理解できない
でも5年後の私はおぼろげにでもわかるかもしれない
学びの秋,人生を豊かにする出会いに感謝して。
社労士・行政書士 かしむら