これからの終活~徳之島から
「先生、最近・・・いろんなことが、しんどくなってきましたよ」
連れ合いを亡くされて、何十年でしょうか。そう私に微笑みながらお話しする女性。
今でも、年齢を聞けば驚くほどの足腰の強さ。多分、私、体力では負けています。そして私がこの方の年齢に達する頃、そのようにお元気でいられる自信はありません(笑)
「私、何からしたらいいんでしょうね?」
その問いに、今度は私がその方の想いを伺います。
その方とは、これまでゆっくりと信頼関係を築いてきましたので、ご親族との関係や、お人柄も含め丁寧に準備することができます。
何から説明すべきか?ご本人は、もしものとき誰にどれぐらいあげるのか決めることが頭にあるのです。
「昔はね~、本家を守っていってくれる方に、大目に、ってしてたのよ。でも、今は違うのでしょう?」
そういいながら、昔ご自身のお父様が亡くなった時のお話をしてくださいました。
この方には、しっかりとしたご子息がおられ、関係も良好。
何かあった時も、ご親族でお話合いが可能であることが伺えます。
ですから、等分に分けることを望まない場合でない限り、特段なにもしなくてもいいようにも思えます。
もちろん絶対に争いが起きない保証はないですし、不動産の評価やお墓、これまでの事情により事態が変わる可能性がないとはいえませんが。
でも、これまでのことを考える限り、お亡くなりになった後の心配ではなく、ご本人に判断能力がなくなったときのことを検討すべきではないかと。
その期間、ご本人のために実働されるかたの負担を含めたお話合いをする必要があるとお伝えしました。
平均寿命が伸びても、健康寿命が伸びない昨今。
判断力が低下したのちの生活設計抜きに財産の分配やその他の物事は決められないのではないか?と考えます。
幸い、この方はゆっくり検討するお時間がおありですので、そのようにお話させていただきました。
手続の専門家としてできること、まだまだたくさんあります。
ご本人、ご親族其々の「想いの橋渡し」に少しでもお役にたてたら私たちの存在意義はあるのではないかと考えています。
行政書士 わたなべ